COVID-19の剖検における国立感染症研究所からの指針に関して

昨年12月から中国の武漢市を中心として発生していた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、日本における現状はご存じの通りで、死亡例も報告されはじめています。これを受けて、国立感染症研究所から『COVID-19感染症の剖検における感染予防策(2020/2/19更新)』及び『COVID-19症例の剖検プロトコル(2020/2/25版)』が示されましたので、日本法医学会の会員の皆様にお知らせいたします。補足として、原因不明の肺炎を疑う解剖にあたっては、解剖前にCOVID-19感染の確認を行うようにとの国立感染症研究所からの要請があり、各医療機関あるいは所轄の保健所に検査を依頼する必要がございます。

一方、現在の解剖室の設備状況などが必ずしも国立感染症研究所の示した条件を満たしていない場合も想定されます。さらに、法医解剖という性質上、解剖前にCOVID-19感染症の検査ができないことも予想されます。先生方におかれましては、事前の警察との協議などを含め、状況に即した適切な対応をしていただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。なお、添付しますプロトコルは一般に公表する性質のものではないという国立感染症研究所の見解がございますことを申し添えいたします。

令和2年3月2日

NPO法人日本法医学会理事長 青木 康博
庶務委員長 浅村 英樹