理事長挨拶

日本法医学会理事長:青木 康博 2019年6月に仙台で開催された日本法医学会の会議において選任され、前期に引き続き2021年6月までの2年間、特定非営利活動法人日本法医学会理事長を務めることとなりました。折しも死因究明等推進基本法案が国会で可決・成立し、そこに記された理念および施策を実現する上で中核となるべき学会の代表として、その使命の重要性を認識しています。同法の基本理念にありますとおり、十分に死因が究明された上で、死亡後の諸手続きがなされることは、生命の尊重と個人の尊厳の保持につながり、また公衆衛生の向上に資するものであります。ただ、法は公布され、2020年4月に施行されますが、具体的な施策の内容については今後さらに議論・検討されるべきものと考えております。そのため今後も関係省庁などの政府機関に対する働きかけを継続し、また市民の皆様からの理解を得て、社会基盤の確立に向けて努力して行きたいと考えております。

本学会は百余年の歴史を有し、多くの先人がその発展に尽力してきました。学術団体として、一貫して法医学及び関連領域の学術調査研究およびその成果等の公開を主眼として来た一方で、特に法人化後は、定款にありますとおり、法医学関連の情報提供等を行い、広く市民に対して、法医学の教育及び知識の普及を図ることにも注力するようになりました。現在も学会活動の柱として、先に述べました日本型の死因究明制度の確立推進や、学術調査・研究支援の他に、(1)若手法医学者の育成、(2)法医実務の精度向上、(3)学会活動の社会への還元、(4)法医実務への国民の理解と協力の獲得、の4項目を掲げております。特に法医実務の充実・標準化は、法医学界に対する社会の負託に応えるものである一方、後進の育成とともに、学としての法医学を支えるバック・ボーンでもあります。今期理事会においてもこれらを主要活動方針として様々な事業を展開したいと考えます。また法人組織として、前期理事会に引き続き、学会の組織・システムをより機能的なものとし、将来の発展にむけ、コンプライアンスや男女共同参画といった今日的な観点を意識しつつ、体制の整備を目指しております。

会員の皆様には法医学会へのご支援・ご協力をお願いしますとともに、市民の皆様からは忌憚のないご意見を頂ければ幸甚に存じます。

特定非営利活動法人
日本法医学会
理事長 青木 康博