理事長挨拶

「理事長就任にあたって」

日本法医学会理事長:久保 真一

 この度、日本法医学会の理事長に選出されました。歴史ある学会の理事長を務めさせていただくことは大変光栄であるとともに身の引きしまる思いです。2025年6月までの2年間、本学会の発展のために力を尽くす覚悟です。
 理事長の立候補制が導入された最初の理事会となりますが、これまでの理事会の活動との連続性を保ちつつ、立候補に際して掲げた以下の項目が実現できるよう、新たな活動計画を加えて、学会活動をさらに活性化したいと考えております。

  1. 基礎的なものから鑑定実務に特化したものまで多種多様な研究がおこなえるという法医学の特性を生かした研究活動の活性化
  2. 地方会単位あるいは学会全体での、これからの法医学会を担ってゆく法医専門医・法医学研究者の育成
  3. 鑑定や解剖業務の標準化による法医鑑定や死因究明推進計画の充実
  4. 日本法中毒学会、日本DNA多型学会、日本法医病理学会等の関係学会とのこれまで以上の連携の強化
  5. 国際化の促進、法医学会が現在主要国際学会として掲げているInternational Association of Forensic Sciences, International Academy of Legal Medicine, Indo-Pacific Association of Law, Medicine and Scienceを含めた国際学会との関係の見直し、学会機関紙であるLegal medicineのさらなる発展
  6. 新たに常設されたダイバーシティー推進員委員会を中心として性別に関わらず各会員の強み、得意分野を生かした活躍のための環境整備
  7. 学術集会でのシンポジウムや公開講座等の開催による法医学業務の社会貢献の発信

 以上のような活動を通し、法医学会のさらなる活性化のため尽力したいと思います。会員が意見を出しやすい、そしてその意見が生かせる学会を作りたいと考えています。また多くの学会員が、特にこれからの法医学を担う若い先生方が法医学会に所属してよかったと思えるような学会づくりに少しでも貢献できればと思います。
 また、本学会は法医鑑定、死因究明を通じて、社会に貢献しております。市民の皆様方のご理解、ご協力につきましても何卒よろしくお願い申し上げます。

令和5年7月1日

特定非営利活動法人
日本法医学会
理事長 神田 芳郎