理事長挨拶

「新時代への継承」

日本法医学会理事長:久保 真一

 この度、特定非営利活動法人日本法医学会理事長に選任され、2023年6月までの2年間、その職務に当たらせて頂くことになりました。
 理事長就任にあたり、これからの2年間の活動について、私の所信をまとめさせて頂きました。ご一読頂ければ、幸甚です。
 1889年に、片山国嘉先生が東京大学医学部に裁判医学教室を開講、その後、1891年に裁判医学の名称が法医学と改称されました.1914年に日本法医学会が 設立されて100年余りとなります。
 この間に、日本法医学会は、「法医学とは、医学的解明助言を必要とする法律上の案件、事項について、科学的で公正な医学的判断を下すことによって、個人の基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することを目的とする医学である(1982年日本法医学会教育委員会報告)」と定義しました。
 ここにある医学的解明助言を必要とする法律上の案件、事項の中心は、司法解剖、法医鑑定でした。日本法医学会の活動も、法医鑑定を支える学術・研究活動、人材の育成にありました。
 2009年1月、日本法医学会は特定非営利活動法人となり、その目的も、法医学及び関連領域の学術調査研究、研究成果等の公開、情報提供及び資格認定等を行い、広く市民に対して、法医学の教育及び知識の普及を図ることにより、法医学の振興、基本的人権の擁護並びに社会の安全及び福祉の向上に寄与することとしました。
 そして、2020年4月には、死因究明等推進基本法が施行され、2021年6月に、死因究明等推進計画が発表されました。司法解剖にとどまらず、包括的な死因の究明が、法医学の大きな仕事となる「新しい時代」が始まることとなりました。
 今期理事会では、特定非営利活動に係る事業を踏まえ、さらに「新時代への継承」を活動方針に据え、新たな時代のための基盤づくりとなる以下の活動に取り組みたいと考えております。

  1. 法医鑑定の充実
  2. 解剖・検査の実施体制の充実・強化
  3. 死因究明等の推進と関係機関との連携
  4. 研究活動の活発化
  5. 学会活動、理事会・評議員会の活性化
 理事長として、日本法医学会のために尽力していく所存です。会員の皆様には、ご理解、ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。
 市民の皆様には、日本法医学会は、法医鑑定、死因究明を通じて、社会に貢献して参ります。何卒、宜しくお願い申し上げます。

令和3年7月1日

特定非営利活動法人
日本法医学会
理事長 久保 真一