シンポジウム記録

第97次日本法医学会学術全国集会
シンポジウム記録

「後継者問題を考える」

シンポジウムによせて

第97次日本法医学会学術全国集会長
  北海道大学 寺沢 浩一

 本邦では、大学法人化に伴う人員・経費の削減、犯罪死見逃しを防止するための解剖率引上げなどが重なり、法医学者への負担が増え続けている。学会をあげて、本格的に後継者問題について取り組むべき時期に差しかかっている。
 本問題についての学会の取り組みとして、庶務委員会は早くから本邦の各法医学教室の実態調査を行い、平成17年・19年に報告を行った。また、各々の大学の取り組みとして、平成22年頃から、法医人材養成のための特別な教育コースが設けられたり、将来的に死因究明センターのモデルになりそうなシステムが構築されたりした。しかし、学術全国集会のシンポジウムの中で、学会員全体で本問題について、具体策が話し合われたことはなかった。
 平成24年に制定された、死因究明等の推進に関する法律では、法医学に係る教育及び研究の拠点の整備が盛り込まれ、また、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律では、医師、歯科医師等の人材育成及び資質の向上、大学における法医学に係る教育及び研究の充実が盛り込まれた。政策としても、法医学教室の充実・強化の方針が、明確に打ち出されており、これに対する学会の方針についても、十分話し合う必要性が出ている。
 以上の背景を踏まえ、今回、本問題に関する有識者を招聘し、学会員全体で議論できる場としてシンポジウムを企画した。

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