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C-1.硫化水素
(2)ガスクロマトグラフィー (GC)

 i)前処理

試料1)1.0 ml
↓ 共栓試験管に入れる.
10 ml共栓試験管
↓ i) 氷冷下,アセトン5 ml,20% 塩酸0.5 mlを加えて振盪混和する.
ii) 4℃,1,000 gで5分間遠心分離する.
有機溶媒層 1 ml
↓ 適宜冷アセトンで希釈し,2 μl注入する.
GC-FPD

 【注 解】
1) 試料は血液,臓器など.臓器試料は予め,試料1 gに水4 mlを加え,氷冷下,ホモジナイズし,その1.0 mlを用いる.
採取した試料を直ちに分析できない場合は,試料を密栓可能なガラス容器に入れ,-20℃で冷凍保存する.

 ii)GCの条件


装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
ガスクロマトグラフ,炎光分光検出器(FPD)付き;S フィルター:394 nm
25% 1,2,3-tris(2-cyanoethoxy)propane(TCEP), 3 m×3 mm i.d.
カラム 70℃ ; 注入部・検出器 150℃
窒素 50 ml/min


 【注 解】
1) 硫化水素 (H2S) の保持時間は1.7 min,検出限界は0.25 μg/ml.
2) 標準溶液は衛生試験法(日本薬学会 編)に準じて, 5 μg/ml のH2S/水溶液を作成する.
3) 検量線:標準溶液1.0 mlを用いて試料と同様に前処理し,有機溶媒層をアセトンで10-40倍に希釈し,その1-3 μlをガスクロマトグラフに注入する.H2S濃度(μg/ml)とピーク高(cm)から両対数目盛で検量線を作成する.検量線の範囲は1-5 μg/ml.

 【文 献】
1. 田中栄之介 他.炎光光度検出器付ガスクロマトグラフィーによる液体及び臓器中の硫化水素の定量.衛生化学1987;33:149-152.

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