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3.覚せい剤
(2)高速液体クロマトグラフィー (HPLC)1)

 i)誘導体化

酢酸エチル層*あるいは溶出液**2)
↓ 酢酸1滴を添加した後,窒素気流下,0.1 mlまで濃縮する.
濃縮液3)
↓ i) 10 ml炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH 9.0)1.1 ml,1.0 mMダンシルクロリド/アセトン溶液0.9 mlを加え,混和する.
ii) 45℃で1時間加温する.
反応液
↓ 直ちに冷水下におき,20 μlをHPLCに注入する.
HPLC

 【注 解】
1) 抽出はガスクロマトグラフィーの項の液-液抽出および固相抽出に従って行う.
2) GC,GC/MSの項,液-液抽出の酢酸エチル層あるいは固相抽出の溶出液.
3) 誘導体化を行わない場合は,乾固した残渣をそのまま移動相に溶解し,分析試料とする.誘導体化を行う場合は,上記の手順をとる.

 ii)HPLCの条件(非誘導体化)


装置:
検出器:
カラム:
移動相:
カラム温度:
流速:
測定:
高速液体クロマトグラフ
紫外可視検出器
Finepak SIL C18T1), 25 cm×4.6 mm i.d.  粒径 5 μm
アセトニトリル/0.05 M 酢酸アンモニウム-0.2%酢酸(1:1,v/v)2)
室温
1.0 ml/min
波長 254 nm; 時間 25 min

 【注 解】
1) ODS (オクタデシルシラン系シリカゲル).近年,塩基性化合物専用のカラムや光学分割カラムなど,多種のカラムが市販されており,各社のアプリケーションデータを参考にして使い分けると便利である.
2) 移動相は,酢酸アンモニウム3.85 gおよび酢酸2 mlに水を加えて1,000 mlにした溶液と,アセトニトリルとを1:1 (v/v) の割合で混合する.移動相として,メタノール系も使用されているが,一般にメタノール系はカラム内圧が高くなるため,カラムの寿命を短くする.
3) MAの検出下限は 1μg/ml である.

 【文 献】
1. 高山成明 他.衛生化学 1984;30:14-18.

 iii)HPLCの条件(誘導体化)


装置:
検出器:
カラム:

移動相:
カラム温度:
流速:
測定:
高速液体クロマトグラフ
蛍光検出器
Spheri-5RP-18, 3 cm×4.6 mm i.d.(ガードカラム)
+ Inertsil ODS-2, 25cm×4.6 mm i.d.
アセトニトリル/1 mM イミダゾール液(pH 7.0)(7:3,v/v)1)
室温
1.0 ml/min
波長Ex(励起)470 nm, Em(蛍光)530 nm; 時間 約25 min


 【注 解】
1) 移動相は,イミダゾール68 mgを水に溶かして1,000 mlとし,酢酸でpHを7に調整する.pHを調整した水溶液と,アセトニトリルとを30:70 (v/v) の割合に混合する.
2) MAの検出下限は 50 fmolである.

 【文 献】
1. 高山成明 他.衛生化学 1991;37:14-21.

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