i)液-液抽出 |
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試料1) 2 ml |
↓ |
内部標準液2)0.5 ml,2N NaOH液0.5 mlおよびジエチルエーテル3)10 mlを加えて振盪後,遠心する. |
エーテル層 |
↓ |
1N HCl 2 mlを加えて振盪後,遠心する. |
塩酸層 1.6 ml |
↓ |
10 N NaOH液0.4 mlと酢酸エチル1 mlを加えて振盪後,遠心する. |
酢酸エチル層* |
↓ |
i) 酢酸1滴を添加した後,窒素気流下,0.1 mlまで濃縮する.
ii) 無水トリフルオロ酢酸0.1 mlを加え,50℃で10分間反応させる.
iii) 溶媒を濃縮乾固する. |
残渣 |
↓ |
酢酸エチル40 μlに溶解する. |
GCあるいはGC/MS |
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【注 解】 |
1) |
試料は尿,血液,毛髪など.血液の場合は,その1 g (ml) を0.1N HCl で2倍に希釈したものを試料とする.爪や毛髪は,試料片をジエチルエーテルで洗浄後,細かく切って,2
mlの2.5 N NaOH液に浸し,70〜80℃で30分間加熱し,硬組織を溶解させる.これを酢酸エチル 2 ml で 2 回抽出し,酢酸エチル層に酢酸
0.1 ml を加えた後,窒素気流下で溶媒を留去する.残渣に無水トリフルオロ酢酸 50 μl およびピリジン 20 μl を加え,10〜20分間室温で放置した後,溶媒を留去し,残渣を再び酢酸エチルに溶解して分析試料とする. |
2) |
内部標準液は3-フェニルプロピルアミンの10 μg/ml 0.5 N HCl溶液. |
3) |
抽出溶媒は,クロロホルム/イソプロパノール(3:1, v/v)などが報告されているが,溶媒留去などの操作性を考慮してジエチルエーテルを推奨する. |
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【文 献】 |
1. |
永田武明 他.医用マス研究会講演集 1979;4:95-102. |
2. |
宇根伊津子 他.医用マス研究会講演集 1981;6:125-128. |
3. |
Suzuki O et al.Forensic Sci Int 1984;24:9-16. |
4. |
日本薬学会編.薬毒物化学試験法と注解 南山堂 第4版. |
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ii)固相抽出 |
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試料1)0.3 g |
↓ |
内部標準液2)8 μlおよび0.5 N NaOH液2滴を加えて混和する. |
Extrelutカラム |
↓ |
室温で15分間放置後,酢酸エチル2.0 mlで溶出する. |
溶出液** |
↓ |
i) 酢酸1滴を添加した後,窒素気流下,0.1 mlまで濃縮する.
ii) 無水トリフルオロ酢酸4-6)0.1mlを加え,50℃で10分間反応させる.
iii) 溶媒を濃縮乾固する. |
残渣 |
↓ |
酢酸エチル40 μlに溶かす. |
GCあるいはGC/MS |
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【注 解】 |
1) |
試料は尿,血液など.血液の場合は,その1gに 0.05 N HCl 2.5 ml を加え撹拌し,15分間静置した後,1N NaOH液 0.5
ml を加えて混和し,その 0.6 ml に内部標準液を添加し,Extrelutカラムに通す. |
2) |
内部標準液は3-フェニルプロピルアミンの25 μg/ml水溶液.GC/MS で分析する場合,内部標準物質には A-d5, MA-d5 の使用を奨める. |
3) |
Extrelut 20 (Merck, Art. 11737) をジエチルエーテルで洗浄し,風乾した後,ガラスカラムに詰めて使用する.既にガラスカラムに充填済みのExtrelut
3 (Merck, Art. 15372) を使用してもよい. |
4) |
誘導化剤としては,TFAA(無水トリフルオロ酢酸)をはじめ,HFBA(無水ヘプタフルオロ酪酸),PFPA(無水ペンタフルオロプロピオン酸),4-CB(4-カルベトキシヘキサフルオロ酪酸クロリド)などが報告されているが,誘導体調製の容易さ,安定性,試薬の価格など考慮すると
TFAA が実用的である.しかし,HFBA などは,GC の注入部で誘導体化(オンカラム誘導体化)ができるなどの利点もあり,必要に応じて使い分けると便利である. |
5) |
TFA 誘導体は,揮発性が高く,溶媒留去時の損失が大きいため,注意を要する.
A,MAやエフェドリン,ノルエフェドリンの TFA 誘導体は安定であるが,メチルエフェドリン,p-ヒドロキシアンフェタミン,p-ヒドロキシメタンフェタミンの
TFA 誘導体は不安定で分解しやすいため,試料溶液調製後速やかに(試料調製後2~3時間内)分析する必要がある. |
6) |
誘導化剤としてクロロギ酸プロピルを用いると,室温で短時間に反応し,また,抽出溶媒に混合して用いると,抽出と誘導体化が同時に行える. |
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【文 献】 |
1. |
宇根伊都子 他.日法医誌 1983;37:63-66. |
2. |
寺田賢 他.法中毒学ニュース 1986;4:74-75. |
3. |
Meatherall R. J Anal Toxicol 1995;19:316-322. |
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iii)GCの条件 |
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装置:
検出器:
カラム:
温度:
キャリアガス: |
ガスクロマトグラフ
FID(水素炎イオン化検出器
3% OV-17/Gas Chrom Q (80-100 mesh).
3 m×1.2 mm i.d.
カラム 150℃;注入部・検出器 170℃
窒素 59 ml/min |
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【注 解】 |
1) |
A-TFA および MA-TFA の保持時間はそれぞれ 1.6分および 2.8分である. |
2) |
MAおよびAの定量範囲は,それぞれ20〜800 ng および 40〜800 ng であり,検出下限は,MA 10 ng,A 20 ng である. |
3) |
定量は,MA 200 μg/ml およびMA 100 μg/ml と 200 μg/ml の標品を TFA 化した標準液を毎回1μl 注入し,それぞれのピーク面積を基準にして濃度を求める. |
4) |
充填カラムでは,SE-30,OV-7,OV-17,OV-225,XE-60 などが,キャピラリーカラムでは,5% phenylmethylsilicone
(Ultra-2) や polydimethylsiloxane (DB-5) などが用いられる. |
5) |
近年,代謝物としてアンフェタミン関連化合物を生成する医薬品が流通するようになり,光学分割して分析する必要が生じている.このような場合,光学活性カラムを使用して分析すれば,医薬品由来であるか否かを推定できる. |
6) |
他の検出器,NPD (FTD) (窒素-リン検出器),ECD (電子捕獲型検出器) などによる分析例も報告されている. |
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iv)GC/EI(電子衝撃)MSの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
イオン化電圧:
測定質量範囲: |
ガスクロマトグラフ/質量分析計
PTE-5およびDB-5相当品,30 m×0.25 mm i.d. 膜厚 0.25 μm
カラム 60℃-(20℃/min)-280℃;注入部250℃;イオン源 230℃
ヘリウムガス 0.8 ml/min
70 eV
m/z 50-500 |
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【注 解】 |
1) |
各化合物の誘導体のフラグメントイオンを表1に示す. |
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表1 アンフェタミン,メタンフェタミンおよびそれらの誘導体の主なフラグメントイオン |
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化 合 物 |
主なフラグメントイオン(m/z) |
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遊離塩基 |
HFBA誘導体 |
TFA誘導体 |
TBDMS誘導体 |
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amphetamine |
91,65,120 |
118,240,91 |
140,118,91 |
158,73,100,192 |
methamphetamine |
58,91,134 |
254,118,91 |
154,110,118 |
172,73,206 |
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v)GC/CI(化学イオン化)MSの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
イオン化ガス:
測定質量範囲: |
ガスクロマトグラフ/質量分析計
3% OV-17/Gas Chrom Q (80-100 mesh),1.0 m×2.6 mm i.d.
カラム 140℃;注入部180℃;セパレーター 250℃;イオン源 200℃
ヘリウムガス 20 ml/min
イソブタン
m/z 50-500 |
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【注 解】 |
1) |
A-TFA,MA-TFA および PPA (3-phenylpropylamine)-TFA の保持時間はそれぞれ 1.5分,2.7分および3.2分である. |
2) |
A-TFA,MA-TFA および PPA-TFA の疑似分子イオンピークは,それぞれ m/z 232,m/z 246 およびm/z 232 である. |
3) |
MAおよびAの定量範囲は,それぞれ4~4000 ng/ml および 2~4000 ng/ml である. |
4) |
定量は,水 2 ml にMA 0.2 μg および A 0.05 μg を添加し,抽出,TFA 化したものを分析し,それぞれのピーク面積比を基準にして濃度を求める. |
5) |
キャピラリーカラムでも分析できる. |
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【文 献】 |
1. |
宇根伊津子 他.医用マス研究会講演集 1981;6:125-128. |
2. |
Kojima T et al. Forensic Sci Int 1983;21:253-258. |