i)操作法 |
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試料1) 0.5 ml (g) |
↓ |
スクリューバイアルびんに入れる |
スクリューバイアルびん2) |
↓ |
i) 内部標準液3) 2 mlを加えて密栓する.
ii) 70℃で30分間,加温する4). |
気相 1.0 ml5) |
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注入する |
GC-FID |
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【注 解】 |
1) |
試料は血液,尿,血腫,臓器など.臓器は,0.5 g 前後を精密に秤量し,予め氷冷した内部標準溶液2 mlを加え,氷冷しながらスクリューバイアルびん内でハサミで細切する. |
2) |
容量18 ml,キャップはテフロンシリコンセプタム付きを用いる. |
3) |
0.005% methyl ethyl ketone/水溶液. |
4) |
アルミブロック恒温槽. |
5) |
予め60℃で加温したガスタイトシリンジを用いる. |
6) |
検量線はトルエン標準溶液(0.2–2% 残留農薬用n-ヘキサン)1 μlを用いて作成する. |
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ii)充填カラムGCの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアガス: |
ガスクロマトグラフ,水素炎イオン化検出器(FID)付き
Chromosorb(60-80 mesh),1 m×3.0 mm i.d.
カラム 180℃;注入部・検出器 200℃
窒素 50 ml/min |
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iii)キャピラリーカラムGCの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアガス: |
ガスクロマトグラフ,水素炎イオン化検出器(FID)付き
DB-WAX,30 m×0.53 mm i.d.,膜厚 1 μm
カラム 35℃;注入部 100℃;検出器 150℃
ヘリウム 17 ml/min |
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【注 解】 |
1) |
トルエンの保持時間はChromosorb 101で3.32分,DB-WAXで3.89分である.また,内部標準物質は1.21分および1.68分である. |
2) |
馬尿酸がトルエン代謝物の指標に用いられることが多いが,食物等の影響を受けにくいO-クレゾールの方が特異性に優れ,曝露量とも良い相関が認められる. |
3) |
本法の応用例を下に示す.
症例1: |
シンナーを吸引後,ビルから飛び降りた(死後約11時間).トルエン濃度は血液 14.8 μg/ml,肺 6.5 μg/g,肝臓 11.3 μg/g,脳
14.9 μg/gであった. |
症例2: |
シンナーを吸引後,川に転落し,漂流しているところを発見される(死後約9日間).トルエン濃度は肺 591 μg/g,肝臓 45 μg/g,脳 244
μg/gであった. |
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【文 献】 |
1. |
山崎健太郎 他.日法医誌1990;44:234-242 |