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A.有機リン系農薬
(2) ガスクロマトグラフィー(GC)

 i)前処理

試料1) 1 ml(g)
↓ i) 水9 mlを加えて混和する2).
ii) カートリッジにアプライする.
Sep-Pak C18カートリッジ3),4) (オリジナル,Waters)
↓ i) 水10 mlでカートリッジを洗浄する.
ii) クロロホルム/イソプロパノール(9:1,v/v)3 mlで溶出する.
溶出液
↓ i) 上層(水層)をパスツールピペットで取り除く.
ii) 窒素気流下(室温),溶媒を留去する.
残渣
↓ アセトニトリル100 μlに溶解し,1 μlを注入する.
GC5),6)

 【注 解】
1) 試料は血清,尿,血液など.
2) カラムの目詰まりを避けるために必要ならば,遠心して上清をカートリッジにアプライする.
3) Sep-Pak C18カートリッジの流速は5 ml/min以下で行い,カートリッジに空気が入らないように注意する.空気が入ると回収率が低下する.
4) Sep-Pak C18カートリッジは各10 mlのクロロホルム/イソプロパノール(9:1,v/v),アセトニトリル,アセトニトリル/水(1:1,v/v)および水を順次流し充填剤を予め活性化しておく.
5) 回収率は大半は100 %に近く,60 %を下回るものはない.
6) EPNで検出下限は2 ng,直線性は100 ngまで認められた(いずれも注入量).

 ii)GCの条件


装置:
検出器:
カラム:
温度:

キャリアガス:
ガスクロマトグラフ
FID(水素炎イオン化検出器)
SPB-11),15 m×0.53 mm i.d.,膜厚1.5 μm
カラム 40℃(スプリットレス)-(15℃/min)-290℃;
注入部・検出器 300℃
窒素 20 ml/min 測定時間:14 min


 【注 解】
1) カラムは同等品で代替できる.

 表3.代表的な有機リン系農薬の保持時間

化 合 物 保持時間(分)

 Dichlorvos(DDVP ) 2.9
 Iprobenfos(IBP) 7.8
 Methylparathion 8.1
 Fenitrothion(MEP) 8.5
 Malathion 8.9
 Parathion 8.9
 Methidathion(DMTP) 9.4
 Isoxathion 10.3
 Ethion 10.7
 EPN 11.8
 Phosalone 12.0


 【文 献】
1. Liu J et al. Forensic Sci Int 1989;41:67-72.

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