i)前処理(固相抽出とt-BDMS誘導体化) |
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試料1) 50 µl |
↓ |
i) 内部標準溶液2) 50 µlを加え,ボルテックスミキサーにて撹拌しながら アセトニトリル100 µlを加える.
ii) 15,000回転で5分間遠心分離する. |
上清 |
↓ |
i) 1 mg/ml炭酸アンモニウム溶液100 µlと水700 µlを加える.
ii) ボルテックスミキサーにて撹拌後,15,000回転で5分間遠心分離する.
iii) 上清をカートリッジにアプライする. |
Oasis MAX抽出カートリッジ3),4) (60 mg,Waters) |
↓ |
i) カートリッジを水2 mlで洗浄する.
ii) 吸引にて脱水する.
iii) 0.1 N HCl 0.5 mlで溶出する. |
溶出液 |
↓ |
撹拌後その100 µlを遠心エバポレーターで完全に乾固する5). |
残渣 |
↓ |
i) MTBSTFA 6) 50 µlとN,N-ジメチルホルムアミド50 µlを加える.
ii) 80 ℃で30分間加熱する.
iii) 室温に冷却後1 µlを注入する. |
GC/MS |
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【注 解】 |
1) |
試料は血液,尿,胃内容など.尿や胃内容は高濃度なことが多いので,必要があれば水で希釈する. |
2) |
内部標準溶液は500 μg/ml DL-2-amino-3-phosphonopropionic acid溶液を用いる. |
3) |
予め,メタノール2 ml,0.1 N水酸化ナトリウム 2 ml,水2 mlを順次流してカートリッジを活性化する. |
4) |
陰イオン交換と逆相の2種類の保持メカニズムを持つ固相抽出カートリッジであれば代用可能. ただし, 処理条件は前もって検討しておく必要がある. |
5) |
溶出液の濃縮乾固は窒素気流下濃縮乾固,減圧濃縮乾固などでもよいが, 塩酸を含んでいるので 乾固後の装置の保守を充分に行う必要がある. |
6) |
MTBSTFAはN-methyl-N-(tetra-butyldimethylsilyl) trifluoroacetamideである. |
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ii)GC/MSの条件 |
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装置: |
ガスクロマトグラフ/質量分析計1) |
カラム: |
HP-5MS, 30 m x 0.25 mm i.d., 膜厚 0.25 µm |
温度: |
カラム 80 ℃ (2 min) - (15 ℃/min) - 300 ℃ (5 min);注入部 300 ℃ ;導入部・イオン源 280 ℃ |
キャリアガス: |
ヘリウム 1 ml/min |
注入法: |
パルスドスプリット2) スプリット比10:1(圧 50.0 psi,時間 0.2 min) |
イオン化: |
EI 70 eV |
測定: |
質量範囲 m/z 70 – 650 ;時間 21.67 min |
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【注 解】 |
1) |
誘導体化試薬とN,N-ジメチルホルムアミドが注入後長時間にわたって溶出してくるので,溶媒カットの時間を長くとる必要がある. |
2) |
注入は誘導体化試薬とN,N-ジメチルホルムアミドのオーバーロードを防ぐためスプリットで10:1の 比率以上にする必要がある. |
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表1. |
グリホサートとグルホシネートとそれぞれの代謝物および内部標準物質のt-BDMS誘導体の保持時間とフラグメントイオン |
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化合物 |
保持時間(分) |
フラグメントイオン(m/z) |
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グリホサート |
14.85 |
454, 253, 352 |
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グリホシネート |
15.36 |
466, 364, 73 |
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AMPA |
12.83 |
396, 73, 144 |
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MPPA |
12.59 |
323, 73 |
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APPA |
15.75 |
568, 466, 73 |
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AMPA: Aminomethyl phosphoric acid (グリホサート代謝物)
MPPA: 3-Methylphosphinicopropionic acid (グルホシネート代謝物)
APPA: DL-2-Amino-3-phosphonopropionic acid (内部標準物質) |
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【文 献】 |
1. |
Tsunoda N. J Chromatogr 1993; 637: 167 - 173. |