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D-1.グリホサート、グリホシネート
(1)薄層クロマトグラフィー(TLC)

 i)操作法

試料1)(胃内容,尿)100 µl
↓ i) アセトニトリル100 µlを加える.
ii) ボルテックスミキサーで15秒間撹拌後,15,000回転で5分間遠心分離する.
上清
↓ i) 薄層板2)にスポットする.
ii) ドライヤーで薄層板を十分に乾燥する.
iii) 展開溶媒
3)を入れた展開槽に入れ展開する4).
iv) 展開後,薄層板をドライヤーで十分に乾燥する
5).
発色
↓ i) 2 % ニンヒドリン溶液を噴霧する6).
ii) 薄層板を110 ℃の乾燥器の中に5分間静置する.
判定7)

 【注 解】
1) 試料は,高濃度含有される尿や胃内容について適応できるが,特異性が低いので必ず対照と比較する.血清や全血にはブランク中にも同じ移動率の物質が存在するので応用できない.
2) 薄層板は,HPTLC aluminum sheets silicagel 60 pre-coated (Merck) を使用する.
3) 展開溶媒は,エタノール/水/アンモニア水 (7:3:0.1,v/v/v)を使用する.
4) 予め,展開槽に展開溶媒を入れ静置し展開溶媒の蒸気を充満させておく.6 cm展開するのに 約45分かかる.
5) アンモニア臭がなくなるまでドライヤーで十分に乾燥する.アンモニアが残っていると全体が着色し判定ができなくなる.
6) 市販の薄層クロマトグラフ用ニンヒドリンスプレーで代用できる.
7) 本条件におけるグリホサートのRf値は0.42,グルホシネートのRf値は0.65である.ニンヒドリンでの検出感度は絶対量で0.1-0.5 µgである.


1: グリホサート(1 mg/ml)
2: グリホサート服用例の胃内容
(処理したものを水で10倍に希釈)
3: グルホシネート(1 mg/ml)
4: グリホサート服用例の尿
5: グリホサートとグルホシネート(1 mg/ml)
6: ブランク尿
7: グルホシネート(1 mg/ml)
8: グリホサート服用例の血液
9: グリホサート(1 mg/ml)

   図1.グリホサート中毒例への応用例

 【文 献】
1. 角田紀子.法中毒 1990;8:100-111.

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