i)前処理(固相抽出) |
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試料1),2) 5.0 ml |
↓ |
i) 0.1M リン酸緩衝液(pH 6.0)3)5 mlおよび内部標準液4)0.1 mlを加え,混和する.
ii) アプライする. |
Bond Elut Certify カラム5)(300 mg,Varian) |
↓ |
i) 水2 ml,0.1M 酢酸2 ml,水2 mlで順次洗浄後,5分間吸引してカラムを乾燥する.
ii) メタノール2 mlで洗浄後,5分間吸引してカラムを乾燥する.
iii) ジクロロメタン/イソプロパノール/濃アンモニア水(40:10:1)3 mlで溶出する. |
溶出液 |
↓ |
窒素気流下,40℃で溶媒を留去する. |
残渣 |
↓ |
i) 無水ペンタフルオロプロピオン酸(PFP)6) 100 μlおよびヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)7) 50 μlを加え,60℃で20分間加温する.
ii)窒素気流下,反応液を留去する. |
残渣 |
↓ |
酢酸エチル/ビストリメチルシリルアセトアミド(BSA)8)(2:1)50 μlに溶かし,その1 μlを注入する. |
GC/MS |
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【注 解】 |
1) |
試料は血液,尿,胃内容など.コカインは分解しやすいので,尿は弱酸性(pH 5)に調整して –20℃で保存する. |
2) |
コカインとエクゴニンメチルエステル (EME) は凍結・解凍を繰り返すと分解するので,試料は最初から小分けしておく. |
3) |
KH2PO4(MW 136.9)1.36 g を200-250 mlのフラスコに入れ,90 mlの水を加えて溶かす.よく撹拌しながら1M KOH溶液を滴下し,pHを6.0に調整後,100
mlのメスフラスコに移し,水を加えて100 mlにする.冷蔵保存で30日間使用可能. |
4) |
スコポラミンの 5 µg/ml水溶液. |
5) |
予め,メタノール2 ml,水2 ml,0.1Mリン酸緩衝液(pH 6.0)2 mlを順次流してカラムを活性化する.疎水性基と陽イオン交換基の両方を結合した固定相を充填した類似の市販カートリッジカラムで代替可能.カラムは乾燥行程以外では乾燥させないように注意する. |
6) |
Pentafluoropropionic anhydride(和光純薬工業) |
7) |
1,1,1,3,3,3-Hexafluoro-2-propanol(シグマ アルドリッチ ジャパン) |
8) |
N,O-Bis (trimethylsilyl) acetamide(和光純薬工業) |
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ii)GC/MSの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
注入法:
イオン化:
測定: |
ガスクロマトグラフ/質量分析計
Ultra-1,25 m×0.20 mm i.d., 膜厚 0.33 μm
カラム 100℃(1 min)-(20℃/min)-280℃(15 min);注入部 250℃; 導入部・イオン源 280℃
ヘリウム 圧力6.5 psi
スプリットレス(1 min)
EI(電子衝撃) 70 eV
質量範囲 m/z 50-550; 時間 25 min
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【注 解】 |
1) |
ガスクロマトグラフで測定する場合はGC/MSの条件に準じて行う. |
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表1.コカインの保持時間と主なフラグメントイオン |
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化 合 物 |
保持時間(分) |
フラグメントイオン(m/z) |
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Cocaine |
10.81 |
182,303,82 |
EME-O-PFP |
6.49 |
182,345,314 |
BE-O-HFIP |
9.68 |
318,439,334 |
IS-O-PFP |
10.65 |
449,138,154 |
EME:ecgonine methyl ester ; BE:benzoylecgonin ; IS:scopolamine ;
PFP:pentafluoropropionyl ; HFIP:hexafluoropropyl |
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【注 解】 |
1) |
コカインは誘導体化されない. |
2) |
コカインの証明には,ベンゾイルエクゴニン (BE) とコカイン,あるいはBEとエクゴニンメチルエステル (EME) の2種類の化合物の検出が望ましい.コカイン摂取直後の尿では,GC/MSで未変化体を検出できるが,通常は未変化体は確認できず,BEおよびEMEが検出される. |
3) |
コカインとアルコールを併用した場合,体内でコカエチレンが生成することもある. |
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【文 献】 |
1. |
生体試料の薬物鑑定に関する総合的研究班 編(厚生省)「生体試料の薬物鑑定フォーラム ‘94」1994;33. |