i)前処理 |
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試料1)0.2 ml |
↓ |
下記混合液に加える. |
混合液2) |
↓ |
直ちに vortexで1分間撹拌する. |
反応液 |
↓ |
i) リン酸二水素カリウム 0.1 gを加える.
ii) 直ちに室温で10秒間撹拌後,2,500 rpmで15分間遠心分離する. |
有機溶媒層 |
↓ |
1 μlを注入する3). |
GC/MS |
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【注 解】 |
1) |
試料は血液、尿など.冷凍保存しておくことが望ましい.硫化水素の揮散を防ぐため,冷試料を用いる. |
2) |
予め,5mM TDMBA (tetradecyldimethylbenzylammonium chloride)/oxygen-free ほう砂飽和水溶液4) 0.8 ml,1 µM(あるいは10 µM)1,3,5-tribromobenzene(IS)/酢酸エチル溶液 2 mlおよび20mM PFBBr
(pentafluorobenzyl bromide)/トルエン(あるいは酢酸エチル)溶液 0.5 mlを入れておく. |
3) |
GC-ECDの場合は,n-ヘキサンで10倍に希釈し,その1 μlを注入する. |
4) |
5mM相当のTDMBAおよび過剰量のほう砂を15分間窒素ガスでバブリングした蒸留水に溶かす. |
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ii)GCの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアーガス: |
ガスクロマトグラフ,電子捕獲検出器(ECD)付き
5% Apiezon grease L-Chromosorb W(AW-DMCS),
(60-80 mesh)2.1 m×3 mm i.d.
カラム 200℃ ; 注入部・検出器 200℃
窒素 50 ml/min |
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【注 解】 |
1) |
硫化水素のアルキル誘導体の保持時間は4.2分,検出限界は0.01 µg/g. |
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iii)GC/MS条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアーガス:
: |
ガスクロマトグラフ/質量分析計
HP-5, 30 m×0.32 mm i.d.,膜厚 0.25 μm
カラム 100℃(2 min)-(10℃/min)-220℃; 注入部 230℃
セパレーター 240℃ ; イオン源 210℃
ヘリウム 2 ml/min
EI(電子衝撃), 70 eV |
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【注 解】 |
1) |
硫化水素の誘導体化により生成するbis (pentafluorobenzyl) sulfideのフラグメントイオンはm/z 394 (M+),213,181
(base peak)などである.内部標純物質のフラグメントイオンはm/z 314 (M+ + 2, base peak),235 (M+ +
2 – Br)などである. |
2) |
本法の検出限界は0.001 μmol/ml,定量範囲は0.002 – 0.1 μmol/ml(硫化物として)である. |
3) |
硫化水素は速やかにチオ硫酸塩に代謝されること,および死後産生されることから,その代謝物であるチオ硫酸塩の分析も行うことを奨める.一般に,チオ硫酸塩濃度は硫化物濃度より数倍から10倍高い. |
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【文 献】 |
1. |
Kage, S. et al.J Forensic Sci 1998;43:908-910. |