i)前処理 |
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試料(尿) 5 ml |
↓ |
10N 水酸化カリウム0.5 mlを加え,50 ℃で15分加温する. |
加水分解液 |
↓ |
i) 冷却後,酢酸を添加してpH 4付近に調整する.
ii) 加水分解液を50 mlの分液ロート1)に入れる.
iii) 内部標準物質プラゼパム 25 μl(10 µg/mlメタノール溶液)を加え,水 5 ml及びヘキサン/酢酸エチル(4:1, v/v)15
mlを加え振盪する.
iv) 上層の有機層を取り,共栓試験管に入れる.
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ヘキサン-酢酸エチル層 |
↓ |
窒素気流下,溶媒を留去する. |
残渣 |
↓ |
i) 残渣にBSTFA(1% TMCSを含む)2)50 µlを加え,90 ℃で20分間加温する.
ii) 2 µlをGC/MSに注入する. |
GC/MS |
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ii)GC/MSの条件 |
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装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
確認スペクトル
注入法:
イオン化:
測定: |
ガスクロマトグラフ/質量分析計
DB-1, 30 m×0.25 mm i.d., 膜厚0.25 µm
カラム 60 ℃(0.5 min)-20 ℃/min-280 ℃;注入口 200 ℃
ヘリウム (6.5 psi)
THCA-TMS m/z 371, 473, 488
スプリットレス (1 min)
EI 70 eV
質量範囲m/z 50-550 ;時間25 min
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【注 解】 |
1) |
50 mlのネジ口試験管でも代用できる. |
2) |
1 % Trimethylchlorsilane(TMCS)を含むN,O-Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide(BSTFA, ピアス,USA). |
3) |
尿を用いて大麻の摂取を証明するには,尿中の11-nor-△9-Tetrahydrocannabinol-9-carboxyric acid (THCA)を検出する. |
4) |
THCAの判定基準は次の通りとする.
1. |
尿中THCA濃度がカットオフ値(20 ng/ml)以上. |
2. |
標準THCA-TMSと保持時間(13 min)が一致. |
3. |
標準THCA-TMSのマススペクトルとの一致. |
4. |
ブランク尿がカットオフ値の1/10以下であることを確認. |
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5) |
THCAの標準品は日本シンテックスから購入可能. |
6) |
試料中THCAの安定性はpHと温度の影響が大きいため,弱アルカリ性とし4 ℃以下で保存する. |
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【文 献】 |
1. |
生体試料の薬物鑑定に関する総合的研究班編(厚生省).生体試料の薬物鑑定フォーラム’94.1994; p.77-106. |