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B.フェンシクリジン(PCP)
(1)ガスクロマトグラフィー・質量分析法 (GC/MS)

 i)前処理法(固相抽出)

試料(尿) 5 ml
↓ i) pH 6に調整し,内部標準物質ケタミン50 µl (1 µg/mlメタノール溶液)を加える.
ii) アプライする.
Bond Elut Certify カートリッジカラム1) (300 mg, Varian)
↓ i) 水3 ml,1 M酢酸3 ml,水3 mlで順次カラムを洗浄後,5分間吸引して乾燥する.
ii) メタノール3 mlでカラムを洗浄後,カラムを5分間以上吸引して十分に 乾燥する.
iii) メタノール/アンモニア水(98:2, v/v)2 mlで溶出する.
溶出液
↓ 窒素気流下,溶媒を留去する.
残渣
↓ 酢酸エチル/BSA2)(2:1, v/v)50 µlを加え,1 µlをGC/MSに注入する.
GC/MS

 【注 解】
1) 予め,メタノール3 ml,水3 mlを順次流してカラムを活性化する.
2) N,O-bis (trimethylsilyl) acetamide(和光純薬工業)
 ii)GC/MSの条件


装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
確認スペクトル
注入法:
イオン化:
測定:
ガスクロマトグラフ/質量分析計
DB-1, 30 m×0.25 mm i.d., 膜厚0.25 µm
カラム 60 ℃(0.5 min)-20 ℃/min-280 ℃;注入口 200 ℃
ヘリウム (6.5 psi)
PCP m/z 200, 242, 186, 166
スプリットレス (1 min)
EI 70 eV
質量範囲m/z 50-550 ;時間25 min


 【注 解】
1) PCPの判定基準は次の通りとする.
1. 尿中PCP濃度がカットオフ値(25 ng/ml)以上.
2. 標準PCPと保持時間が一致.
3. 標準PCPのマススペクトルとの一致.
4. ブランク尿がカットオフ値の1/10以下であることを確認.
2) 主代謝物として,水酸化体4-phenyl-4-piperidino-cyclohexanol (PPC), 1-(1-phenyl- cyclohexyl)-4-hydroxypiperidine (PCHP)が生成する.必要があればTMS体として確認する.
PPC-TMS  m/z 200, 331, 186
PCHP-TMS  m/z 288, 331, 260

 【文 献】
1. 生体試料の薬物鑑定に関する総合的研究班編(厚生省).生体試料の薬物鑑定フォーラム’94.1994; p.77-106.

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