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C.ガンマヒドロキシ酪酸(GHB)
(1)ガスクロマトグラフィー・質量分析法 (GC/MS)

 i)前処理法(液-液抽出)

試料(血液,尿) 0.5 ml
↓ i) 内部標準物質p-トルイル酸 50 µl (100 µg/ml水溶液)1) と0.1 M塩酸 0.25 mlおよび酢酸エチル2 mlを加えて振盪する.
ii) 3,000 rpmで10分間遠心する.

iii) 上層の有機層を取り、共栓試験管に入れる.
酢酸エチル層
↓ 窒素気流下,溶媒を留去する.
残渣
↓ i) ピリジン/BSTFA(1 % TMCS含)(1:1, v/v)2)100 µlを加え,90 ℃,30分間加温する.
ii) 1 µlをGC/MSに注入する.
GC/MS

 ii)GC/MSの条件


装置:
カラム:
温度:
キャリアガス:
確認スペクトル
注入法:
イオン化:
測定:
ガスクロマトグラフ/質量分析計
DB-1, 20 m×0.25 mm i.d., 膜厚0.25 µm
カラム 60 ℃(0.5 min)-20 ℃/min-280 ℃;注入口 200 ℃
ヘリウム (6.5 psi)
GHB-TMS m/z 159, 233, 248, 277
スプリットレス (1 min)
EI 70 eV
質量範囲m/z 50-550 ;時間25 min


 【注 解】
1) 内部標準物質はα-メチレンガンマブチロラクトンでもよい.
2) 1 % Trimethylchlorsilane(TMCS)を含むN,O-Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide(BSTFA, ピアス,USA)を同容量の無水ピリジンと混和して調製する.
3) GHBの判定基準は次の通りとする.
1. 標準GHB-TMSと保持時間が一致.
2. 標準GHB-TMSのマススペクトルとの一致.
3. ブランク尿がカットオフ値以下であることを確認.
4) 尿中GHBのカットオフ値:尿はGHB10 μg/ml(生体,死体).血液5 μg/ml(生体),50 μg/ml(死体).内因性のものもあるため非常に難しい.腐敗の激しいときは要注意.

 【文 献】
1. Mazarr-Proof S, S Kerrigan S. J Anal Toxicol 2005; 29: 398-400.
2. Moriya F, Hashimoto Y. Forensic Sci Int 2005; 148: 139-42.

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